末梢動脈疾患について

末梢動脈疾患とは

歩行時に足がしびれる、痛い、冷たいなどの症状が現れます

 手足の血管に動脈硬化が起こり、血管が細くなったり、詰まったりして、足に十分な血液が流れなくなることで発症する病気です。動脈硬化は手足の血管だけでなく全身の血管に多く起こり、特に脳や心臓などに病気を合併されている方が発症することが多く、その場合は脳梗塞や心筋梗塞を発症する危険性が高くなります。

症状

初期症状は歩行時に足がしびれや痛みです

発症の原因

ほとんどの原因は動脈硬化です

 動脈硬化とは、動脈の内側にコレステロールなどがたまり、血管が詰まったり硬くなったりして弾力性を失った状態です。血管の老化現象なので、歳をとると誰にでも起こる可能性があります。

以下のようなリスク要因を抱えている方は要注意です。

末梢動脈疾患の検査方法

当院では様々な検査を組み合わせて診断します

ABI検査

ABI(エービーアイ)検査は両腕・両足に特殊な血圧計を巻いて同時に血圧や脈波を測定する検査です。この検査で足の血圧が異常に低い場合は、どこかで血管が狭いか詰っていると思われます。

皮膚還流圧(SPP) 検査

皮膚レベルの微小循環の指標、つまり毛細血管に血流がどの程度あるかを調べる検査です。末梢血管領域において、下肢虚血の重症度を評価する検査法の1 つです。

下肢動脈超音波検査

超音波検査では、血流が正常に流れているかをみることができます。痛みを伴うことなく実施できる検査ですので、最初に行う検査になります。

CT検査 MRI検査

血管の全体像を把握して評価するのに適した検査です。
CT検査、MRI検査で狭窄の程度、狭窄部位を評価します。得られた情報を元に治療方針を決定することになります。

末梢動脈疾患の治療方法

末梢血管カテーテル治療(EVT-Endovascular Treatment)

 血管内治療とは足の付け根の血管からカテーテルを挿入し、閉塞部位または詰まった部分をバルーンやステントなどで押し広げて治療する治療法のことです。

跛行の方には膝上まで、重症の方には膝下までの動脈に対して治療を行います。詰まっていた血管を広げると今まで歩行時に感じていた痛みが和らいだり、なかなか治りが悪かった足の指の傷が改善することもあります。